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【MAWS】メンズイヤーカフ オリジナル ギフトパッケージ (シルバー2個セット)
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null ミナがとまどって、大きな声でたずねた。つかのま、大人たちのあいだに沈黙がおちた。 「アスラはロタ人が苦手なんだよ。顔をあわせないですむようにミナも協力しておくれ。」  バルサがいうとミナは、変なの、という顔をしながら、うなずいた。  アスラは転回をおえた馬車にのぼりながら、肌がこわばるような思いをあじわっていた。  みんなが目をあわせないようにしているのが、よけいこたえた。  のどに、いやなかたまりがこみあげてくる。歯をぎゅっとくいしばって、息をすい、アスラは、馬車のいちばん奥にいって腰をおろした。  馬車を御しているナカの妻マロナの、ふとい腕のむこうに、バルサの顔がみえた。目があったとき、アスラは、どきっとした。  バルサの目にうかんでいたのは同情ではなく、ふしぎにあかるい、つよい光だった。これを、あんたはどううけてみせる? と、その目がいっているような気がした。  ロタ領にはいった以上、これから、いやでもこういうことがふえる。そのたびにきずついて背をまるめていたら、兄をたすけになどいけない。  アスラは、ぎゅっと歯をかみしめた。そのアスラの目になにをみたのか、バルサがほほえんだような気がした。バルサはくるりと馬の頭をかえして、はなれていった。  この地方の牧夫たちは、冬のあいだ、風をふせいでくれる森を背にしたあたりに、大きな家畜囲いをつくる。ふとい木の柵に、牛の皮や木の皮をまいて、なるべく風が吹きこまぬようにして、家畜を凍死させぬようにまもるのだ。  その家畜囲いの背後に、彼らが住む小屋がつくられている。妻やおさない子どもたちは、トルア郷に住まわせ、若者たちと、はたらきざかりの男たちは冬をここですごす。――家畜を寒さからまもるだけでなく、狼からまもらねばならないからだ。  ナカとレンが先駆《さきが》けして、牧夫たちに話をつけにいった。牧夫たちは、吹雪にそなえて家畜囲いをみまわっているところだったが、ナカたちの話をきくと、こころよく自分たちの小屋に避難することをゆるしてくれた。  馬車隊が到着すると、がっしりとしたひげ面《づら》の牧夫頭《ぼくふがしら》が、若い連中に声をかけて、小屋へ馬車をまわしていく手伝いをしてくれた。  アスラは、馬車の奥に身をひそめて、外からきこえてくるロタ語に耳をすましていた。あらっぽい話し方ではあったが、牧夫たちは、じつに気さくにナカたちに話しかけ、女たちに、心配いらない、ここでゆっくりしていけばいいといっていた。  そのやさしさに、アスラはつよい違和感をおぼえた。――こんなふうにロタ人が親しげな口調で話すのをきくのは、はじめてだったからだ。 「……いや、馬車にいるのはやめたほうがいい。馬車なんかで、吹雪をしのげるもんかね。そうだろう? だいじょうぶ。小屋は、じゅうぶん広いから。さあ、馬車からおりて、小屋へはいった、はいった!」  親切な牧夫頭の言葉にうなずきながら、ナカの妻マロナはちらっとアスラをふりかえった。心臓がはげしく脈うっていたが、アスラは、つとめて平静な口調でささやいた。