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ルイヴィトンダミエジッピーウォレット編集

 西郷が、決然として三条に最後の断を迫ったが、三条には勿論その勇気はない。  岩倉が側面援助をやって、ともかくも、一日の冷却期間をおき、  ——明十五日、再び閣議を開いて、もう一度討議しよう、  と言うことになった。  閣議解散後、三条は閣議の結果を奏上するため天皇に拝謁する。  岩倉、大久保らは、早々に退出して行った。鳩首協議のためであろう。  西郷らは控室にはいって食事をとる。  西郷が沈痛の表情で、 「もし、明日、遣韓大使の件が決定しないようなら、私は職を辞するほかはない」  と洩らすと、板垣がうなずいた。 「われわれが参画した閣議で一旦決定したことを変更するようなら、私もあんたと共に辞任する」  副島も、 「むろん、私も同一行動をとろう」  と言う。  西郷は、いかんと首をふった。 「諸君が私と去就を共にするようなことがあれば、私党を結んで国事を動かすものだと言うそしりを受けるかも知れぬ。罷めるのは私一人でいいでしょう」  西郷は、そう言ってから、語調を変え、 「それにしても、三条さんと言うおひとは、決断力のない方じゃな。つくづく呆れ申したよ」
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