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2015-01-28 17:28    ディズニー30周年グッズ
 訓練が終って解散すると、  「こんな忍者みたいなことをやって、勝てるもんけえ」と言って、周吉たちは「水際作戦」の訓練をなじったが、寅之助の横暴が癪にさわって彼は家へ帰っても、まだ腹の虫がおさまらなかった。  六月に入って間もなく、アメリカ兵が沖縄全土を占領したという噂が流れた。  「こんどは北海道だな」  「南と北を占領して、両方から東京に向かって追いつめる気だな」  部落の人々は仕事も手につかず、ぼんやり太平洋を眺めていた。水平線の上にぽつんと湧いた泡粒のような一点がみるみる膨れ上がって近づいてきた。  「敵機だ!」  川岸で洗濯をしていた源治の女房キミが大声で叫んだ。グラマンは地上すれすれに飛んできて、河口部落上空を旋回して建物や放牧馬に機銃を浴びせた。  「藪の中へ潜り込め」  周吉は逃げ惑う人々を怒鳴りつけた。グラマンは何度も旋回して執拗に射ってきた。土埃が高く舞い上がり、家屋の板壁がばりばり音をたてた。  グラマンが十勝川に沿って帯広の方へ飛び去った後、周吉は放牧馬を見て回った。厩の陰で、親馬が背中を射抜かれて斃れていた。馬は血だらけで、すでに息絶えていた。  「馬頭さんに祭ってやるべえ」と、周吉が言った。  「馬がわしらの身代わりになってくれたんだよ」  サトが馬の顔を撫でて声を詰まらせた。馬を池のほとりに埋葬すると、牧夫の群平が燕麦を供え、子供たちは野っ原に飛び出して行き、盆花を摘んできて供えた。  その晩、周吉は犬の鳴き声で目が覚めた。アカ(犬の名)は噛みつくような見幕で、獲物に飛びかかって吠えているようだった。厩の前の牧草畑の辺りだった。  「あの鳴き声は、ただごとでないな」と、周吉が言った。  「アメリカ兵が上陸して来たべか」と、サトがおどおどしている。周吉と群平が安全灯を持って戸外に出た。外は星明かりだった。安全灯の灯を消し、厩の前に止まって辺りの様子を窺った。場所は馬頭観音のところだった。黒い影が蠢(うごめ)いて、アカはなお吠え続けていた。