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2015-01-28 16:21    ルイヴィトンバッグ新作
 亜希子から楽しい話がきけないとわかると、次には、無視に変わった。女の二十六、七歳というと、ほとんどが結婚して一児を儲けたり、婚約が整ってこれから結婚するという年齢であり、みんなの顔は輝いていた。  また、そういう倖せそうな境遇にあるものばかりが集まるのが、たいてい、同窓会というものである。  出席するほうが間違っていたのだ。  亜希子のように離婚したばかりの女、というのは一人もいない。今の今までみんなからは、社長夫人に収まって羨(うらや)ましい、という見方をされていただけに、その惨(みじ)めさは厳(きび)しかった。  会は五時に、おひらきになった。  六時から近くの異人館通りの坂上にある「北野クラブ」で二次会に移る。バンドがあって、ディスコも社交ダンスもできて、贅沢(ぜいたく)な食事ができる「北野クラブ」など、短大時代には入りたくても入れなかった憧(あこが)れの場所だけに、山の手の令嬢たちは弾(はず)んで、賑やかに繰り込んでゆくのだった。  だが、亜希子は同行しなかった。一人だけそっと一行から離れ、北野通りでタクシーを拾った。 「六甲山ホテルへやって下さい」  惨めな、敗残者の気持ちだった。いくら離婚が女の勲章といっても、それは東京のキャリアウーマンや芸能人だけの話であって、地方ではまだまだ惨めな落後者とみられるのだ。  六甲山にむかいながら、亜希子は急に見知らぬ街にきた異邦人のような淋しさを覚えた。六時をすぎると、あたりは暗くなる。急な坂道が続き、急カーブが多い。車に揺られながら、亜希子はもっと賑やかな街なかのホテルにすればよかったと思った。  神戸には今では、三宮ターミナル、ニューポート、オリエンタル、タワーサイドホテルなど、新しいホテルがふえている。これに和風旅館やビジネスホテルを入れれば限りない数だし、更に建築中の大手ホテルが加わり、第三次ホテル戦争といわれているそうだ。  でも、亜希子にとって、六甲山ホテルは思い出のホテルなのである。  タクシーはそのホテルに着いた。  運転手に料金を払いながら、亜希子は寒気を覚えた。標高九百メートル近い六甲の山頂付近は、風がつよく、麓(ふもと)よりもぐーんと気温が低いのだった。  部屋は、五階だった。  窓のカーテンをひく。窓の外に、一千万ドルの夜景といわれる輝きが広がっていた。遠く紀州から大阪、神戸にかけての灯が、赤、緑、オレンジと、宝石をちりばめたように煌(かがや)いている。  灯の洪水は、そのまま六甲の山裾にまで及んでいた。亜希子は、この六甲山ホテルからみる阪神間の豪奢な、おびただしい灯群れをみるために、一人でここにきたはずであった。  それなのに、心は弾まない。