口金がま口
null
null 楽観かも知れない。  甘い考えかも知れない。  だが現に、彼らは追っては来ない。人間達が逃げ出したのを、ただ見送るだけだ。 「そういうことかもな」  マナガの言葉に、 「うん」  マティアが、かすかな笑みで応える。  その時だ。  突然、轟音が夜の山を鳴動させた。  山荘が爆裂し、巨大な炎の球体が雪の丘を覆ったのである。  屋根の大半が真上へ吹き飛び、炎を噴き出した。壁面が柱を残して四散し、残った柱も猛《たけ》り狂う火炎に呑み込まれた。燃え盛る破片が宙を舞い、突き刺さるように叩きつけて周囲の雪面にいくつもの穴を穿《うが》った。  爆発だ。  山荘が、爆発したのだ。 「やべえ!」  オドマの声。 「ボイラーか!!」  そして、コモデの声。  なんてこった。