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ヴィトンダミエスピーディー編集

「待ってくれ。南房総藤原の別荘の地下に金庫室がある。女房にも教えてない金庫室だ。そこに、プラチナのインゴットを一トン、五カラットのダイア百粒、現ナマ五億を隠してある。儂を助けてくれたら、そこに案内する」  小野は|呻《うめ》いた。 「藤原のどこなんだ、別荘というのは?」  新城は尋ねた。 「海を見おろす丘の中腹にある鉄筋二階建てだ。小野御殿といえばすぐに分かる」 「地下金庫室にはどこから入るんだ?」 「案内する。いましゃべったら、あんたは儂を殺す気だろう」 「しゃべるんだ。|出《で》|鱈《たら》|目《め》な話で時間稼ぎをする気なら、こっちは引金を絞るからな」  新城は言った。 「地下金庫室の秘密の入口は、一階の暖炉だ。暖炉の火床の奥の耐火|煉《れん》|瓦《が》は外せるようになっている。そいつを外すと、地下に降りる階段がある」  小野はしゃべった。 「地下金庫室の|鍵《かぎ》は?」 「京葉銀行の貸し金庫に|仕《し》|舞《ま》ってある」 「ダイアル鍵はついてないのか?」 「無い、本当だ」 「別荘に留守番は?」 「いない!」 「|嘘《うそ》ばっかりしゃべると、どういうことになるか分かってるだろうな?」
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