買ってプラダ 2つ折り財布どのウェブサイトの良い,ダンヒル二つ折り財布小銭入れなし プラダ 2つ折り財布団_プラダ 2つ折り財布授権店 outlet!


2015-02-05 17:57    プラダ 2つ折り財布
 しかし屋上から見上げるなにもない空は、相変わらず僕にとっては恐怖の対象であり続けた。瞑はそのことをひどく残念に思っているようだった。 「自分でも奇妙だとは思うんだよ」  言い訳するように僕は彼女に告げた。 「水風船が降ってきたってことは、すぐ近くに校舎かなにか建物があったはずなんだ。だから、背の高い建物に近づきたくない、という理屈ならわかるんだけど。僕が覚えているのは、だだっ広い青空だけで、建物が近くにあったという記憶はないんだよ」  僕の脳裏に焼きついているのは、空を見上げていた男性が、突然、呻き声をあげて倒れた光景だけだった。倒れて苦悶する男の傍に、なにかが落ちていたという記憶はない。  とはいえ小学校のクラスで水風船遊びが流行《はや》っていたのも事実だし、飛び散った生温《なまぬる》い水道水を浴びて、全身がずぶ濡れになったこともよく覚えている。トラウマの原因ははっきりしているわけで、それが今さらどうにかなるとは僕も思っていない。幸いなことに都会で暮らしている限りにおいて、建物の影が視界に入らない、なにもない空を見上げる機会はそれほど多くない。僕のこの名前もない恐怖症は、少なくとも表向きは、ほとんど生活に支障がないのだ。ただ、なにか大事な記憶が欠落しているような気がして、落ち着かないというだけだ。 「そういえば、大学の近くでこんなことがあったよ」  無反応な瞑に向かって、僕は独りごとのように語りかける。 「うちの大学の近所には意外に田んぼや畑が多く残っててさ、今でもたまに案山子《かかし》がいたりするんだよ。あとはカラスよけの風船かな。目玉みたいな模様が描いてあるやつ。あれが片っ端から打ち倒されるって悪戯があって」 「そう」  瞑の素っ気ない声が返ってくる。しかし、それは興味を示しているという、彼女の最大限のサインだった。 「そのときに使われた道具っていうのが、ゴルフボールなんだよ。ものすごく正確に、風船のど真ん中や案山子の頭をゴルフボールが突き破った跡が残っていて。もちろん手で投げたくらいではあんな威力は出せない。普通に考えれば、ロングアイアンあたりの弾道の低いクラブを使ったってことになるんだろうけど」 「…………」 「マナーの悪いゴルファーが、河川敷や人気《ひとけ》のない山の中でゴルフの練習をするってのは、そんなにめずらしいことじゃないらしいけど、それにしても、すごい腕前だよね。たった一発で正確に目標に当てているんだから。そんな凄腕のゴルファーが案山子になんの恨みがあるんだろう、ってことで少し話題になって——」  僕がそこまで言いかけたときに、ひんやりとした腕が僕の手首を握った。  瞑だった。ぐったりと壁にもたれていたはずの瞑が、突然、身を乗り出して僕の腕をつかんでいた。思いがけない強い力だった。それまで人形のように無表情だった彼女の瞳に、見たこともない強い感情の色が浮かんでいる。 「梨夏さんは、その話を知っているの?」  驚くほどしっかりした声で、瞑は僕に訊いた。強烈な意志を感じさせる口調だった。彼女の剣幕に気圧《けお》されて、僕はぎこちなくうなずいた。