エルメス カレ 新作
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null 数機の対戦車ヘリが左右に回避運動をして、再度、攻撃をしかけようとしたが、バーンがその攻撃を上空から目撃する位置にいたのが、彼等にとっては不幸だった。 「地上人はっ!」  バーンのののしりがおわらないうちに、二機のヘリコプターは灼熱の火炎のなか、その機体を住宅密集地に激突させていた。  住宅地の惨事は、述べるまでもない。 「バーン!」  ジョクの意識からは、地上のことを考えてくれ、という意思も感じられた。  が、バーンは、ソ連機の監視をふりきってこの空域に到達したのである。  そして、見たものが、カットグラがヘリコプターと戦闘機に包囲されている光景であった。  むろん、それらの機械が移動する際にみせる速度は、コモン界の空中戦闘の比ではない。  それが、バーンに危機意識を感じさせた。  ジョクの牽制は、無視せざるをえなかったのだ。 「頭がでたら、しかけろっ!」  弾丸のなくなったキャグニーたち先発隊は、戦闘空域から後退せざるをえなかった。キャグニーは、最後のアドバイスを後発の四チームにつたえながら、高度をとっていった。  燃料は、まだたっぷりあるのだ。  機首に装備されたカメラを戦闘域にフォーカシングするために、高空からこの戦闘を観察するつもりになった。  三機のオーラバトラーが、爆撃の煙をわけるようにして、北東にジリジリと移動していくのがわかった。 『上に逃げないのか?』  それでは、キャグニーの思惑《おもわく》とはずれて、自衛隊にすべてをまかせることになってしまう。