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「おい、大丈夫かッ!」  亜希子は、頭をゆすった。  ううッ、と声が洩れた。  さるぐつわで、声が出ない。  飛びのった。さるぐつわをはずした。 「あなた!」  やっと、叫び声が洩れた。 「ありがとう。私……私……」 「話はあとだ。もう安心して、気を楽にしろ」  慎平が、亜希子の手を取って外に飛びだそうとした時、ワゴンの外に、もっと大勢の男たちの足音が殺到していた。この貸しビルにたむろしていた連中が、橋本らの危急を知って、駆けつけてきたらしく、獰猛(どうもう)な獣たちの気配と、じりっじりっと包囲しようとする殺気とが、地下駐車場に充満した。 「くそおおッ。おれだって——」  慎平が亜希子をつきとばし、鉄棒をしっかりと握り直した時、更に意外なことに、駐車場全体にパッと煌々(こうこう)とした光が射し、ラウドスピーカーの大音声がはじけたのである。 「暴力はやめなさい。警察です。婦女誘拐、殺人容疑できみたちを逮捕する。全員、武器をすてなさい!」  侵入路から装甲車が一台、すべりこんできた。装甲車の中から機動隊員が次々に飛び降りてきた。西脇の配下たちがあわてて散りはじめ、制服警官たちがそれを追った。  慎平が亜希子を抱え起こした時、傍に駆けこんできた一人の男がいた。 「間にあって、よかった。西脇らのアジトを突きとめて、警察を動かしました。さあ、あとは警察にまかせて」 「あなたは?」 「成城の家に電話を入れた小野寺です。伊豆からずっと、亜希子さんを掠(さら)った車を追ってたんです」
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