ルイヴィトンダミエグラフィットジッピーウォレットヴェルティカル
null
LOUIS VUITTON(ルイヴィトン) ダミエグラフィット ジッピーウォレット ヴェルティカル N63095 長財布
__null00
LOUIS VUITTON(ルイヴィトン) ダミエグラフィット ジッピーウォレット ヴェルティカル N63095 長財布 
null「……十二、です。」 「まあ、そう。わたしの孫娘とおない年だわ。あの子より、背は高いけれど、ずっとやせているわ。――着替えの衣を用意しておくから、ぬいだ衣は、この籠《かご》にいれておいて。」  そういいのこすと、マーサは湯殿からでていってしまった。  まるで小鳥のような人だ、と思った。小柄な身体で、きびきびうごく。  足音がきこえなくなるまで待って、アスラは、衣をぬいだ。  アスラは、おそるおそる湯殿の床におりた。小さなすべすべの石がびっしりうめられている、冷たい床だった。わきに溝があって、ここから湯が外へ流れていくらしい。  湯船は大きな壺のようにみえた。おしえられたとおり桶をとって、湯船から湯をくみ、そろそろと肩からかけた。  あたたかい湯が身体を流れていくのは、ふしぎな感じだった。アスラは、ヨゴ式どころか、湯をあびることじたい、これがはじめてだったのだ。タルの民は清流で身をきよめる。湯にはいる習慣はなかった。  小さな陶器の器に、砂のような粉がはいっていた。それを手にとって身体になすりつけると、やわらかくとけて、泡がたちはじめた。 (わぁ、いいにおい!)  花のようなにおいがする。アスラはうれしくなって、身体じゅう、すみずみまでよく洗った。  それから、湯でもう一度身体をすすいだ。湯をあびると、熱いような気がするのに、すぐに、すうっと寒くなってしまう。  こわごわ湯船に身体をつけると、最初は、とても熱いような気がした。つまさきなど、びりびり痛い。しかも、胸がくるしいような気がする。  でも、がまんして肩までつかって、しばらくたつと……なんともいえない、いい気もちになってきた。肌をうす氷のようにおおっていた緊張がゆっくりととけて、全身の力がぬけていくようだった。アスラは膝を抱いて、湯気のむこうにみえる、天井の模様をながめた。  このとき、なにかが身体にもどってきたような気がした。――あのおそろしいことがおこるまえの、ふつうの暮らしをしていたころの感じがもどってきたのだ。 (なんて、ふしぎ……。)  アスラは、ぼんやりそう思った。激流のような運命におしながされて、めまぐるしくすべてが変わってしまった。 (ヨゴ人の家で、お湯につかっているなんて。)