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2015-02-25 20:16    タグホイヤーカレラクロノグラフキャリバー
 この部屋の四隅は、それぞれ一人ずつのコーナーになっている。折れば壁に入ってしまうタイプのベッドと規格品の机がある。ベッドの出ている隅が本堂さんのコーナーだろう。それぞれのコーナーが娘らしく飾られている。コーナーに引くカーテンも、どれも美しい。決して暗い部屋ではない。しかし、本堂さんの話と共に、その部屋が闇の底に沈んで行くような気がした。  沈黙が波のようにひたひたと、部屋の隅々にまで広がった。千秋さんがやがて口を開いた。静かな、よく通る声だった。 「——美良さんはね、自分のことをいってたんだと思うよ」  本堂さんは目を見開き、絵のような千秋さんの顔を見詰めた。千秋さんは枯野を渡る風のような声で続けた。 「恐かったんじゃないかな、とっても」        16  ドアを開け顔を出すと、正面に椅子に座った校長先生がいた。一大事とばかりに呼んで来たのだろう。これはまあ当然である。両脇《りょうわき》に日光月光両|菩薩《ぼさつ》像よろしく背広と責任者が立っていた。 「……どうでした」  校長は眼鏡を光らせながら立ち上がった。子供の手術の結果を聞くような口調だった。 「やはり、そうでした」  答えると相手は声にならない叫びを上げ、手で口を覆う。その側に近付き、耳打ちした。 「——あの子にとっても、学校にとっても、自分からいい出したという方がいいと思います。実はわたし達にとっても、そうなんです。個人の立場で来ていますので、そこで犯人があがってしまっては、何といいますか抜け駆けをしたようでうまくないのです。後で内部でもめますので」  校長先生は眉《まゆ》を上げ、ゆっくりと頷く。 「分かりました。そうおっしゃっていただくのは本当に有り難いことです」 「ですから、わたし達はここで失礼します。後はあなた方で、改めて警察に連絡して下さい。よろしいですか、くれぐれもわたし達が来たということはご内聞に」  本堂さんを引き渡し、こちらは階段を下りた。千秋さんは、両手をレザーのブルゾンのポケットに突っ込み、足早に降りて行く。一階の廊下に片足がかかった時、その動きが止まった。